2018年6月30日土曜日

日影・日射熱利用

日射取得の程度日照障害の程度日照時間の程度
立地150%3時間日照
立地225%5時間日照
立地30%終日日照

日射熱の利用については、パッシブ手法でも大きな比重を占めますが、
「自立循環型住宅への設計ガイドライン(入門編)」リンク)でも触れられています。

入門編(かつての温暖地版)」の3章で、立地条件を上のように挙げています。
立地:1~3
先日から、検討している敷地ですが、sketchup(3Dソフト)では、その時間の影の様子は
ビジュアルに分かりやすく示してくれます。
ただ、冬至に一日に何時間の「日当たり」があるか、周辺状況によっては ちょっと分かりにくい。
そこで、CADで 日影機能 を使って 色分けしてみました。

上の、敷地周辺図から見ると
「黄色い部分」が「敷地」
「グレー」が 隣接建物。
「青」が一日、3時間以上「影」になる部分、逆算して5~6時間の日照が
得られる範囲になります。

測定面は、地面から1.5mですから、一階の床上90cmぐらいです。
この範囲に一定条件の開口部を持ってくることができる室内では
比較的有効な、日射熱効果が期待できるということになっています。

あくまでも、原則(ガイドライン)ということで、ケースバイケースになってくることから
詳細な「シミュレーション」をしないと、かえって「急激な温度上昇(オーバーヒート)」を
引き起こしかねない手法でもあります。

次回には、その続きを 「自立循環型住宅設計へのガイドライン」の「日射熱利用」として
書いてみたいと思います。

徳島の日射量豊かな地域性を活かしたパッシブ手法です。
共建築設計事務所|徳島の建築設計事務所|へご相談ください。

2018年6月28日木曜日

パターン分析|パッシブデザイン|室温シミュレーション|徳島|設計事務所|

シミュレーションモデル画面
これは、初期分析の一例になります。
”紫色”の物体が、周辺の建物です。

それの間に” 黄色・赤茶・水色”で構成された四角いのが 設計建築物です。

今は、「パッシブ」面だけを、ご紹介しているのですが、当然 住まいづくりでのご要望は多岐に渡りますから
これだけで、配置や間取り、デザインを決めてしまうことはありません

水色のガラス部分からは日射が入ります。(参考 パッシブデザインとソーラーハウス)及び(室温とシミュレーション

赤茶は、屋根です(ダミーモデルなのでフラットですが、実際は 角度が付きます)。

このように、最も寒い日、暑い日 の室温変動がどうなるかを 「エアコンあり、なし」で比較することもできますし
結露が生じる可能性なんかも検証できます。
暖冷房の使用がどの程度で、何月が 一番多い。
ということもわかります。

このシミュレーションツールの 特徴 は、

世界的に標準(最も使われている 計算エンジン)であるから、信憑性が高いこと。
かなり汎用性の高い、形状の建物でも(例えば、袖壁が斜めとか、変形プラン)対応できることです。

又、更にもっと詳しい情報(例えば、外付けブラインドの間隔、角度)もこのソフトのデーターを使って
検証することができます。

「信頼できるツールを正しく使って、設計(デザイン)に反映させていく」ことも
建築士(建築家)の役割だと思っています。

5、~6年前 に 、このようなツールの事を調べ始めたころは 100万の導入費と、アップグレード、メンテナンスの
コストが要求されたのに、今では その一割以下になりました。
当然、設計の仕方も 変わってくるかと思います。

 

徳島の建築設計事務所 共建築設計事務所 にご相談ください。

エネルギーと暮らし方 環境履歴書

今回ご紹介するのは「環境履歴書」。

みなさんは、普段の生活で、どの程度のエネルギーを使用したり、二酸化炭素を排出しているかを意識したことがあるで
しょうか。けっこうエネルギーをつかってるかなと思っている方もいれば、省エネ生活をしていると思っている方もいるで
しょう。ここには、個人の意識や考え方の違いがはいるからです。
そこで、住まいの環境性能(エネルギー使用量やCO2 排出量)を計算し、定量的に記録し、環境を考えるきっかけを作
ることが環境履歴書の目的になります。
実際のエネルギー消費量を意識しはじめると、住まい方の工夫を楽しみながら住まいと付き合っていくことに気づくかも
しれません。
新築・改修を検討する際にも、現在の使用状況を環境履歴書に入力することで、エネルギー的に、どのような生活をして
いるかを作り手と共有することができます。

   引用: 環境履歴書解説より(岐阜県立森林アカデミー 辻准教授

 

 

例えば、トータルの電気使用量電気代 はわかっても それが
「調理(IHヒーターとか)」に使った分、
暖冷房に使った分、
お風呂の給湯に使った分

といった 用途別の内訳を知らされることはありません。

それを、統計と皆さんの「家計」から、類推してみようとしたのが この下に紹介する
環境履歴書(用途分解)」です。

初めの 辻准教授の引用にあるように、環境(CO2排出量)もありますが

給湯が多いな!
何月のエアコンの使用量が多い!
調理は意外と使ってるな!

などなどの結果から、「住まい手のライフスタイル」が見えてくる ことから 単に「光熱費」を把握するだけでなく
設計とライフスタイルの「つなぎツール」になっているのが興味深いです。
そんなことをふくめて「省エネ住宅(エコ住宅)」の設計依頼には欠かせないツールになっています。

今の、「お住まい」での暮らし方から「新築・改修(リフォーム)」される場合の
設備機器の選定や、コスト配分、断熱性、など多くのことが 想定できます。

また、仮に 電気代を入れてみても「思ったような結果(実際と乖離が大きい)」というような
場合にも ”事前に” 把握することで、国が義務図けている「省エネ基準とのギャップ」を調整することができます。

暮らし方・ライフスタイルの把握から 結果的に 省エネ・お財布にもエコ、結果 環境悪化にも負担の少ない
住まい方と、その器である「お住まい」を ご提案することができるのです。

環境履歴書

家族構成から始まり、ガス、電気、灯油 などの仕様の有無を記入します。

環境履歴書

月々の 光熱費もわかる範囲で記入します。
皆さんは、ご家庭での電気代が 後々からでも 電力会社に請求すれば手に入れられることをご存知ですか?

 

一般的な家庭基準値(統計)、前年度比、国の省エネルギープログラムとの それぞれの比較をすることも
出来ます。 前もって 家計の把握ができる、住まいだしても、毎年 前年度と比較できる という 優れモノ。

環境履歴書
そして、月ごとの 使用料と 「暖房・冷房・給湯・照明・家電」に分類してグラフ表示してくれます。

建築設計事務所は とかく「形態的な斬新さ」で他事務所との差別化を図るという癖を持っています。
が、そんなものには10年も住めば 流行は過ぎ ”気合いを入れて注文した建築家住宅”ほど
周囲から浮いている・・・。

新築・リフォーム に限らず ご関心を持たれた方は、
徳島の設計事務所 共建築設計事務所 まで ご相談ください。
何かお役に立てることがあるかもしれません。

(環境履歴書のエクセルシート自体は配布できません・悪しからず)

2018年6月27日水曜日

日影検討図

冬至の影

中でも、日射が得難い 「冬至」での 日影も 調べます。

7時、7時半、8時、9時
10時、11時、12時、13時
14時、15時、16時、16時半 の順に並んでいます。

朝一番の「直射日光」は、入らなさそうですね。

(朝日で目覚めたり、朝食をとったりすることは、心身ともに 望ましいことだと思います。)

(また、Sketchupでの検討は、直射日光での検討なので天空光などは含まれていませんから、

 実際には、朝の光は窓を明るくしてくれると思います)

8時ぐらいに、大きく日差しが入り込み、 13時までの間は比較的日差しに恵まれているようです。

また、最寒期(徳島だと1,2月)の影の様子も、知っておきたいです。

冬至 に 日射が入らなくても 1,2月には入ることもある。

下のは、拡大表示。

Sketchup、日当たり検討、日影検討。
徳島の設計事務所、共建築設計事務所です。

 

2018年6月26日火曜日

敷地の調査

 

周辺環境を確かめる

設計手法(設計手順)

敷地調査に行ったあと、このような「敷地の日影図」を描きます。
これは、各月の正午の壁ですが、特に冬については 影が長く伸びるので注意します。

1月、2月、3月、4月
5月、6月、7月、8月
9月、10月、11月、12月 の(正午の影順)並びになっています。

後日、その「日影図」と「実際の影」を比較してみます。

また、日射の元となる太陽の位置も 現場で確かめることができます。

SUN-SEEKER01

レーザー距離計

こうゆう便利なツール(レーザー距離計)が安価に手に入るようになったおかげです。

パッシブデザイン(パッシブ手法)には、「日射」 と 「敷地」が大きく関係してきます。

こういった、Sketchupでの日影検討アドバイス業務もお引き受けしていますので

気軽にお問い合わせください。

2018年6月16日土曜日

鉄骨住宅の断熱改修を考える

 

2020年から、省エネ法が全面的に義務化されます。
そんな中、木造住宅の「省エネ計算法」についての解説本や講習は頻繁にあるのですが
鉄骨、鉄筋コンクリートの住宅については、ほとんど触れられていません。
一番問題なのは、鉄骨でつくられた住宅の断熱改修が難しそうです。

今、丁度 鉄骨作業場の省エネ計算をしているのですが
住宅ではない中規模建築物は 簡易的な入力で計算できる 「モデル建物法」というのがあります。

一説には、建築設計実務者の4割程度しか省エネ計算をしたことがないそうです。
あと一年半、義務化されたらどうなるんでしょうか?

2018年6月9日土曜日

環境設計 プレゼンの回

昨日は月に1回の環境設計勉強会の日。
半年単位で1クールとして、開かれている。
同じ設計者であったり、施工者、のプレゼンを見るのは新鮮で、刺激も受ける。

 

2018年6月7日木曜日

ヘルマン・カウフマン WOOD WORKS

 

 

HERMAN KAUFMANN WOOD WORKS より

 

 

一つは、木材が「古びていき周辺環境になじんできている」という博士のことば。
ヨーロッパでもそういう 感性 はあるんだと知った。

もう一つは、建物の消費エネルギーの計算、およびLCC検証をしている。

いくつかは、パッシブハウス基準を満たしており、また生産から運用、廃棄までのCO2排出量(環境負荷)も
計算されている。

パッシブハウス という規格では、年間暖房負荷を15kWh/㎡にする ということになっている。

省エネ計算が義務付けられることを知らない方が多く、よく相談の お電話、メールを頂く。
日本では、「年間暖房負荷を15kWh/㎡」というような計算ではなく
建物をある一定以上の断熱化しなさい、消費エネルギーを一定以下にしなさい というものになっている。
このことについては、又 触れてみたいと思う。

CLTとは

昨日の投稿で書いた、CLT ですが
CLTとは

(日本CLT協会より引用 http://clta.jp/clt/)

日本でも、ここ数年でシェアを伸ばしてきた。
防火・避難・(燃えますから)・構造 様々な要件が揃ってきて 工場も増えた。

CLT構造

(BIGLIFE21より引用 http://www.biglife21.com/society/8331/)

こんなものも建てられるようになった。

木材はその中に、「炭素を貯蓄する」ために、焼却処分するまでは
空気中の炭素を減らすことができ、脱炭素化の意味での評価があり
(炭素固定)

特に、CLTは、写真のような中大規模のようなものも、比較的短い期間で建てられる。

更に、構造的にも「ばらつき」が少なく、大空間を作り出すことにも適している。

2018年6月6日水曜日

木質構造 イケコ―BIGセミナー感

ヘルマン・カウフマン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘルマン・カウフマン

参考
http://www.gettingthingsdone.or.at/featured-stories/magazine-1

 

 

合理性 から来る美。調和。
かつ 自然(周辺)との関係性が考えられ 地域産業にも結びついている。

だが、このような「建築」が建てられ始めた当初には
戸惑い、否定も多かったそうである。勾配のない屋根は造れない!という声も。

伝統というのはいつしか乗り越えられていくものなのかもしれない。

世界のサスティナブル建築に触れると、
日本の省エネ が非常に残念なものになっていることを
再認識する。
(省エネ建築  に欠けているものをみることになる)

どこか モダニズムを感じさせる システマティックな要素・架構への指向
も 好みだ。

日本の林業の中で職人不足が叫ばれている。
捨てておくと 絶滅危惧だから。

一方、CLTはじめ 木構造 は今後 潮流になっていくので、心配ないだろう。
伝統を VS CLT で語ることは避け、(接着剤が臭いとか 矮小された話は 避けたい。)

氏の、設計も 正確に組み立てる大工技能を前提としている。
もちろん今かろうじて残っている古来よりの大工技能は残ってほしい。
世界に誇れるものだ。
ただ 木を使う=伝統 に固執し進むことをやめてしまうこともまた残念なことである。
適材適所。BIGセミナー毎度 考えさせられる。
カウフマンに「日本のPHの取り組みと、気候風土をどういったふうに受け止めているか?」問うてみたい。

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